夫婦の関係を維持し、子どもを授かっていくのに避けては通れないのが「夜の営み」です。しかし、男性の中には様々な要因でEDとなってしまい、夜の営みができないケースがあります。
その中でも「妻だけED」という症状も。妻だけEDとは何か、その原因や改善方法についてご紹介します。
そもそもEDとはどんな状態か
妻だけEDとは何かを知る前に、そもそもEDとはどのような状態なのか、改めて解説します。
夜の営みを行うのに困難な状態
EDは勃起力が弱かったり、その状態が継続しないなど、夜の営みを行うのに困難な状態を指します。毎回そのような状態になる場合は当然EDですが、たまにそのような状態になる人、もしくは常に不安を抱え、満足していない人もEDと言えます。
主な傾向として、「性欲自体はあって興奮しても勃起に至らない」、「硬さが足りない」、「硬さが出て交わっても軟らかくなってしまう」などが見られます。過去の調査では1000万人以上の男性がEDで、そのうち、300万人近い男性が全く勃起をしない「完全ED」、症状が多少軽い「中程度ED」は900万人ほどおり、年齢を重ねるとEDの可能性が高まります。
妻だけEDとはどのような状態か
おおよそEDに関する基礎知識を改めて振り返ったところで、妻だけEDとはどのような状態なのかをご紹介します。
妻だけEDは、文字通り「妻の時だけED」になる状態です。グラビアなど性的興奮を得て勃起するなど、男性機能は健全なのにもかかわらず、なぜか妻を目の前にすると何も反応しなくなるのが妻だけEDです。結婚する前はそのようなことがなくても、結婚してから妻だけEDになってしまうこともあります。
若い人でも妻だけEDになる
本来EDは年齢を重ねた男性ならではの病気ですが、妻だけEDに関しては若い人たちもなってしまう病気です。若くして結婚したにもかかわらず、行為をこなしたくてもこなせない状況に陥ってしまいます。年齢を重ねた男性の病気だったはずが、若い自分もEDになってしまうというのはかなりショックです。
妻だけEDが離婚につながる可能性は？
妻だけEDになってしまうと離婚につながる可能性はどれくらいあるのか、解説します。
妻は浮気を疑い始める
妻の立場からすれば、自分の姿を見ても何の反応もしてくれず、いつまでたっても夜の営みができない事に対し、様々な疑念が生じます。自分は魅力的ではないのかもしれないという不安もあれば、もしかして別の女ができたのではないかと浮気を疑う方も出てきます。
夫側からすると妻だけEDになったことで、申し訳ない気持ちになるほか、浮気を疑われた場合に怒りを覚える人も出てきます。自分としては妻と関係を持ち続けたいのに、身体が言うことを聞いてくれないのでどうしようもなく、EDになったことを妻に告げるのも言いにくいため、結果的に勘違いが生じることが想定できます。
コミュニケーション不足や子どもの問題も
性行為は夫婦における大切なコミュニケーションであり、回数が少ないと夫婦関係が悪化しやすくなります。妻だけEDになればコミュニケーション不足に陥りやすく、最終的に離婚などに発展しやすい状況になります。行為が不足していることが離婚の要件として認められ、慰謝料の対象になるとされており、妻だけEDを放置することはとても由々しきことです。
もう1つ重要なことは、子どもを作れなくなる点です。妻だけEDは20代や30代の男性も陥る病気なので、今のうちに子どもを作っておきたいと思っていても、計画通りに事が運ばず、計画が大きくズレることも考えられます。妻は2人、3人と作りたいのに、それがかなわないというのは妻として歯がゆく、自分自身の人生を考えると離婚がチラついても不思議ではありません。
妻だけEDとなる3つの原因
では、妻だけEDをなぜ発症してしまうのか、考えられる3つの原因についてご紹介します。
妻に性的興奮を感じられない
付き合って間もない時期などは彼女に対して性的興奮を感じやすくなり、常に一緒にいたいと思う人が大多数です。結婚してもそこまで状況は変わらない一方、妻が妊娠・出産を経験する中で「母親的な要素」が加わり、1人の女性ではなく家族としてしか見られない夫が出てきます。
また出産などでホルモンバランスなどが崩れたり、育児に忙しくなったりして自分のスタイル維持にかまっていられない妻の体型が崩れていく中で、性的興奮を感じられなくなる人も出てきます。
性行為がストレスになっている
兄弟姉妹、友人、会社の同僚など周囲に子どもが生まれていく中で、自分は取り残されていると感じると何が何でも子どもを授かりたいという気持ちになりがちです。すると、コミュニケーションの1つとして行われるはずの性行為が、子どもを作るために義務的・機械的に行われるようになります。
すると、仕事で疲れてそれどころではなくても、性的興奮を無理やり引き出して性行為を行う中で段々とストレスになり、妻だけEDになってしまうことがあります。また妻から過去に、性行為に関して苦言を呈されるなど厳しい指摘が合った際、妻との行為が恐怖になるケースもあり、それで妻だけEDにつながることもあり得ます。
夜の営みがパターン化されて飽きている
パターン化されるとつまらなくなるのは何事にも言えることです。特に性行為は常に同じパターンを繰り返すと性的興奮を得られにくくなります。お互いが協力していくこともなく、どちらかが受け身のままで終わっていく行為を繰り返すと、妻との営みに興奮せず、妻だけEDになってしまいます。
妻だけEDを改善する5つの方法①当事者編
妻だけEDを改善するにはどのような方法が必要なのか、改善する可能性がある5つの方法についてまとめました。まずは当事者の中でできることをご紹介します。
妻だけEDであることを伝えて、会話を重ねる
妻が浮気などを疑うのは、「妻だけED」の存在を伝えずに隠そうとするからです。そこで妻だけEDであることをしっかりと伝えた上で、なぜ妻だけEDになってしまったのかを妻との会話を重ねていく中で話し合うのが確実です。
例えば、妻の体型が崩れてしまって性的興奮が出ない場合、その要因が子育てによるものであれば夫も家事の負担割合を増やして体型を以前のように戻せるようにするなど、色々な改善案が出てきます。マンネリ化だったとしても、どのようにしてほしいのかなどを話し合います。これにより、妻だけEDに陥りやすい要因を減らすことが可能です。
1人の女性として改めて接してみる
夫婦円満の家庭は子どもを親戚などに預けた上で、時折2人だけの時間を作って、結婚前のカップルのような雰囲気で過ごします。子どもが目の前にいると父と母の一面しか出せませんが、2人きりになれば男女として接することができれば、性的興奮を損なうことにはなりにくいです。
妻を1人の女性として改めて接してみることで、付き合っていた当時のドキドキワクワク感を取り戻すことができ、妻だけEDの解消につながります。
マンネリ打破を目指す
性行為がパターン化したことでマンネリとなり、性的興奮が出てこないという場合には、妻と協力してマンネリ打破を目指しましょう。夫の性的嗜好に妻が付き合うなど、色々な角度から試していく中で新境地を開拓し、新鮮な気持ちで挑めるようになれば、マンネリ打破につながりやすいです。
この過程でコミュニケーションが取れるようになるので、夫婦関係が良くなることも考えられます。
妻だけEDを改善する5つの方法②医師編
EDは立派な病気であり、病院での治療が必要です。医師が関与する方法についてご紹介します。
医師に相談する
EDはいくつかに分類でき、身体影響によってEDになる「器質性ED」や薬の影響で副作用としてEDになる「薬剤性ED」、複数の要素が混じった「混合性ED」がありますが、妻だけEDは心理的な影響でEDになる「心因性ED」に分類されます。
心因性EDの場合、心理的影響を取り除けば復活することがあるため、認知行動療法など考え方のクセを改めていく治療法や、妻と一緒に治療を行うカップル療法もあります。もちろん、別の要素でEDになっている可能性も考えられるため、医師への相談がおすすめです。
ED薬を利用する
EDになるとバイアグラなどのED薬を処方してもらい、男性機能の復活を目指すことになります。妻だけEDの場合、少しの性的興奮で元気に反応する可能性が出てくれるほか、ED薬を飲んだから大丈夫という精神的な支柱としても活用でき、結果的に妻だけEDの克服につながることも考えられます。
妻だけEDを機会に改めて関係性の見直しを
妻だけEDになる状況は誰が100％悪いというものではなく、それぞれに何かしらの要因があって起こりうるものと言えます。特にコミュニケーション不足によってそれぞれが不満を抱きながら生活し、妻だけEDを契機にお互いの不満が爆発することもあるでしょう。ただ、その不満の爆発は関係の再構築に向けて必要なことであり、妻だけEDを改善していく中でとても大事なことです。
夫も妻も夜の営みに余裕をもって取り組める環境かどうかはとても大事なことで、それが様々な余裕につながり、妻だけEDの改善に結び付きます。まずはしっかりと話し合い、意見をぶつけていくことが大切です。
まとめ
妻だけEDは心因性EDに分類されますが、勃起に対して不安を感じたらまず病院に向かい、医師の相談を受けましょう。その上で、妻とのコミュニケーションを密にしていき、時に夫婦水入らずの時間を作っていくほか、新しいことにチャレンジを行いましょう。
そして、もしかして妻だけEDかもしれない…と不安に思ったら、妻にすぐ伝えて、あらぬ疑いがかからないようにしておくことが求められます。
