自慰行為では射精できるのに性行為では射精することが難しいと感じている成人男性は、多いです。
また、性行為でなかなか射精することができないと感じている方は、ほとんどの場合膣内射精障害の可能性が高いです。
そこで今回は、膣内射精障害で悩んでいる方に向けて、膣内射精障害の原因や治療方法、改善方法や9つの治し方について簡単にわかりやすく解説します。
膣内射精障害の特徴
膣内射精障害とは、どのような特徴があるのでしょうか?
ここでは最初に、膣内射精障害の特徴について、主に4つ解説します。
性行為での射精が難しい状態
膣内射精障害とは、性行為での射精が難しい状態のことです。
自慰行為では問題なく射精することができても、性行為中に膣内で射精することが難しく、満足に性行為を行うことができません。
そのため、膣内射精障害は遅漏と似た概念であり、明確に区別することが難しいです。
また、膣内射精障害になってしまうと自力で改善することが難しいので、膣内射精障害になっている場合は、適切な改善・治療をすることが大切です。
成人男性の20人に1人の割合でなっている
膣内射精障害は、多くの成人男性の悩みでもあり、実際に20〜70歳の成人男性のうち5.6%の方が膣内射精障害に悩まされているというデータもあります。
そのため、全国で約270万人の男性が膣内射精障害であり、成人男性の約20人に1人の割合で、膣内射精障害の方がいることになります。
現在、膣内射精障害になっていない方でも、これから解説する膣内射精障害になる原因に当てはまっている場合は、十分に注意が必要です。
不妊の原因になる可能性がある
自然妊娠するためには、膣内で射精する必要があるので膣内射精障害は、不妊の原因になる可能性があります。
そのため、パートナーが膣内射精障害になっている場合は、本人だけでなく夫婦の大きな悩みになってしまいます。
ただ、パートナーが膣内射精障害であっても、以下の2つの方法で自然妊娠を試みることが可能です。
- ブリッジ・テクニック:射精する直前で膣内に挿入する
- スポイト:自慰行為による精液をスポイトを使って膣内に入れる
男女共に悩むことがある
膣内射精障害は、本人(男性)だけでなく女性も悩むことがあります。
男性の場合、「満足に性行為を行うことができない」「相手に申し訳なさを覚える」などの悩みが多いです。
女性の場合、「性行為が長くて疲れる」「自分 (女性側)に原因があるのかと思ってしまう」「女性器や腹部が痛くなる」などの悩みが出ることがあります。
そのため、膣内射精障害によって、人間関係に影響が出たり、セックスレスの原因になることも多いです。
膣内射精障害の基準について
膣内射精障害の基準に明確な基準はありませんが、本人もしくはパートナーに不満や悩みがある場合は、膣内射精障害であると言えます。
そのため、本人が膣内射精障害と感じていない場合でも、主に以下の状態であれば膣内射精障害の可能性が高いです。
- 本人もしくはパートナーが性行為を長すぎると感じている
- 性行為に関して、本人もしくわパートナーが上記以外のストレスを感じている
- 膣内で射精することが困難な状態
以上の状態に当てはまるものがあれば、膣内射精障害と考えましょう。
しかし、本人もしくはパートナーが全くストレスを感じておらず、満足のいく性行為ができていれば、性行為の時間が長いだけであり、治療や改善の必要はありません。
膣内射精障害の原因
膣内射精障害は、成人男性であれば誰にでも起きる可能性があります。
ここでは、膣内射精障害になってしまう原因について、主に3つ解説します。
不適切な自慰行為
膣内射精障害で最も多い原因は、不適切な自慰行為です。
実際に、約半数以上の方が、不適切な自慰行為が原因で膣内射精障害になっています。
自覚せずに不適切な自慰行為をしてしまう男性はとても多く、不適切な自慰行為が習慣化してしまうと、膣内の刺激だけでは射精することが難しくなってしまいます。
また、不適切な自慰行為は、主に以下のとおりです。
- 強く握る
- 高速でピストンする
- 脚をピンと伸ばす
- 床に擦り付ける
- 振動による刺激を与える
- 強い刺激のアダルトコンテンツを見る
以上の自慰行為を行っている方は、見直すことをおすすめします。
精神的なストレス
膣内射精障害は、精神的なストレスを強く感じていることも、原因になります。
主に性行為中に「早く射精すること」「射精できるかどうか」などをを心配していたり、パートナーに言われた言葉やその他恋愛や性行為によるトラウマなどが原因になることが多いです。
勃起や射精は、交感神経や副交感神経などとても繊細な働きによって起きているので、精神的なストレスによって神経の働きが悪くなってしまうと、膣内射精障害やEDになりやすいです。
遅漏になっている
膣内射精障害は、遅漏が原因で起きていることもあります。
また、遅漏も膣内射精障害と同様、不適切な自慰行為や精神的なストレスなどが原因で起きることが多いです。
そのため、膣内射精障害になっていない方でも、遅漏になっている場合は、膣内射精障害になる可能性があるので、注意が必要です。
遅漏の予防方法
遅漏を予防して、膣内射精障害にならないようにするためには、いくつかの予防方法があります。
また、遅漏は主に以下5つの方法の自慰行為をすることによって、予防することが可能です。
- 優しく握る
- ゆっくり動かす
- 下半身(脚)の力を抜く
- 床、振動などの膣とかけ離れた刺激は与えない
- 刺激の弱いアダルトコンテンツを見る、もしくは見ずに想像のみで行う
以上の5つの方法による自慰行為を習慣的に行うことによって、遅漏になる可能性が低く、膣内でも問題なく射精することができます。
遅漏の改善方法
遅漏の予防方法について解説しましたが、すでに遅漏になってしまっている方は、予防ではなく適切な改善方法を実践することが大切です。
続いては、遅漏の改善方法として、主に4つの方法を解説します。
- 強い刺激や不適切な自慰行為をしない
- EDになっている場合は、治療を行う
- 飲酒や不摂生を避けて、規則的な生活習慣を送る
- 精神的なストレスを減らす
人によって個人差はありますが、ほとんどの場合、以上4つの方法で遅漏を改善させることができます。
遅漏が改善できたら膣内射精障害になる可能性も低くなるので、遅漏で悩んでいる方はぜひ実践してみてください。
膣内射精障害の改善方法
膣内射精障害で悩んでいる方は、どのような方法で改善させればいいのでしょうか?
ここでは、膣内射精障害で悩んでいる方に向けて、効果的な改善方法を、主に5つ解説します。
自慰行為の方法を見直す
不適切な自慰行為が原因で、膣内射精障害になっている成人男性はとても多いので、膣内射精障害の最も効果的な改善方法は、自慰行為の方法を見直すことです。
また、不適切な自慰行為をしているのかどうかを自分で判断することが難しく、無意識のうちに不適切な自慰行為を習慣的にしてしまっている方は多いです。
そのため、上記で解説した不適切な自慰行為とEDを予防する効果的な自慰行為方法を参考にしてみましょう。
精神的なストレスを減らす
精神的なストレスが原因で、膣内射精障害になっている方も多いです。
精神的なストレスが強くかかっていたり、恋愛や性行為でのトラウマがある状態では、なかなか膣内で射精することが難しくなってしまいます。
また、精神的なストレスによって、膣内射精障害だけではなく、EDや遅漏になる原因にもなってしまうので、注意が必要です。
そのため、精神的なストレスを感じている場合は、「カウンセリング」や「パートナーとの相談」などをおすすめします。
射精・性行為の体勢を変える
普段行っている自慰行為や性行為の体勢を変えることによって、膣内射精障害が改善されることもあります。
特に、腰を反らして胸を張ることで脊髄反射による射精がしやすくなったり、しっかりと呼吸することでリラックスして神経の働きを活性化させることができます。
また、脚をピンと伸ばして自慰行為を行っている場合は、下半身をリラックスさせることで、膣内射精障害を改善させることができます。
運動習慣・生活習慣を改善する
膣内射精障害を改善するために、運動習慣や生活習慣を改善することも効果的です。
運動習慣がほとんどない状態では筋力や体力が低下することによって、血行の悪化やホルモンバランスの乱れ、EDなどの原因に繋がります。
また、食生活の乱れや睡眠不足、不規則な生活リズムなどを送っている場合も、運動不足と同様に射精や勃起が困難になる原因になるので、改善させることが大切です。
特に筋トレや栄養バランス整った食事、十分な睡眠は欠かせない要因です。
アルコールや服薬中の薬を見直す
アルコールや服薬中の薬を見直すことも、膣内射精障害を改善させるためには効果的です。
適度の飲酒や服薬では、ほとんど膣内射精障害の原因になることはありませんが、過度な飲酒や服薬中の薬の副作用によって、EDや膣内射精障害になることがあります。
特に、アルコールは中枢神経が麻痺して勃起や射精が困難になりやすいです。
そのため、アルコールを控えたり薬を処方している医師に相談するなどしましょう。
膣内射精障害の9つの治療方法
膣内射精障害の効果的な改善方法について主に5つ解説しました。
続いては、膣内射精障害の治療方法について、主に9つ解説します。
低握力スラスト運動
低握力スラスト運動とは、強い刺激を避け、性行為による刺激を再現した自慰行為です。
膣内射精障害を改善するためには、適切な自慰行為を行うことがとても大切なので、適切な方法を身に付けて習慣化させます。
また、主な方法は以下のとおりです。
- 陰茎と体の軸をできるだけ垂直に保つ
- 陰茎を優しく握る
- 動かす速さは実際の性行為と同じぐらい
- アダルトコンテンツは現実味のあるものにする
- 自慰行為の頻度を週数回にする
Stop and start method
Stop and start methodとは、射精を自分でコントロールするトレーニング方法です。
このトレーニング方法は早漏を改善するために行われることが多いですが、遅漏や膣内射精障害の治療としても効果的です。
また、Stop and start methodは、セマンズ法とスクーズテクニックの2種類があります。
- セマンズ法
セマンズ法とは、パートナーに陰茎を刺激してもらい、射精しそうになったら止める方法です。
この方法を3回繰り返し行い、4回目で射精します。
- スクーズテクニック
スクーズテクニックとは、陰茎を刺激して、射精しそうになったら包皮小帯(裏すじ)を指で押さえて射精を抑える方法です。
マスターベーションエイド
マスターベーションエイドとは、膣内射精障害を治すために効果的なTENGAです。
5段階の刺激のカップを刺激の強いものから順に使用していくことで、徐々に強い刺激でなくても、射精することができるようになります。
1番弱い刺激のカップによって射精することができれば、膣内射精障害を改善できているということです。
コンドーム・マス法
コンドーム・マス法では、膣内と似ている刺激を陰茎に与えることができるので、膣内射精障害の改善に効果的です。
方法は、以下の3つの手順で行います。
- コンドームの内側にローションを塗り陰茎に被せる
- 柔らかいグリップで刺激する
- 射精する
以上の3つの手順で完了です。
また、コンドームは誰でも気軽に手に入れることができるので、気になる方は実践してみることをおすすめします。
ED治療薬
ED治療薬は、高い勃起力を長く維持させることができるので、膣内射精障害にとても有効です。
また、膣内射精障害はEDと重複している場合があるので、そういった方は特にED治療薬が有効になります。
しかし、ED治療薬はネットショップなどで購入せずに、ED治療クリニックを受診することをおすすめします。
ヨヒンビン
ヨヒンビンとは、精力増強や催淫効果が期待できる内服薬です。
そのため、ヨヒンビンを内服することによって、膣内射精障害に有効に作用する可能性が高いです。
また、1部の薬局やサプリメント専門のECサイトなどで販売されているので、誰でも購入することができます。
アダルトコンテンツを見過ぎないようにする
アダルトコンテンツの見過ぎが原因で、膣内射精障害になる方は多いです。
また、現在では誰でも気軽にスマホやパソコンからアダルトコンテンツにアクセスして、性的欲求を満たせるようになっているので、通常の性行為では心身ともに十分な刺激が得られずに膣内射精障害になります。
そのため、アダルトコンテンツを控えることも効果的です。
飲酒を控える
大量に飲酒している方や習慣的に飲酒している方は、EDや膣内射精障害の原因になります。
アルコールによって中枢神経が麻痺したり、交感神経と副交感神経がうまく切り替わらなくなってしまいます。
そのため、性的刺激を感じていても、勃起や射精が困難な状態になってしまいます。
カウンセリングを受ける
膣内射精障害を自分で治すことが難しい場合は、カウンセリングを受けることが効果的です。
長期に渡って行ってきた自慰行為は習慣化していることが多く、間違った方法を行っていても自覚がなかったり改善できないなどの問題があります。
また、精神的なストレスが原因の方の場合、「どのようにストレスを改善すればいいのか?」「ストレスの原因は何か?」などを知り、改善できる可能性があります。
そのため、自分で治すことが難しい場合は、カウンセリングを受けることをおすすめします。
まとめ
膣内射精障害は、成人男性の20人に1人の割合で抱えている悩みでもあり、成人男性であれば、誰にでも起きる可能性があります。
また、膣内射精障害を自分で改善させることができれば問題ありませんが、自分では改善が困難な場合も少なくありません。
そういった場合は、クリニックで無料カウンセリングを受けたり、適切な治療を受けるなどして少しずつ改善していきましょう。